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ロン
タリナイ
テレビなどで高い位置からお湯を注いで紅茶を淹れる光景をみたことはないでしょうか。
見た目のインパクトもあり、紅茶の専門家みたいな方がやっているため、紅茶をおいしく淹れるために必要な動作だと思っている方もいるかと思います。
今回は、おいしい紅茶の淹れ方についてご紹介します。
紅茶をおいしく淹れるために本当に高い位置から注ぐ必要があるのかや、紅茶をおいしく淹れるために重要なポイントは何なのかお伝えします。
熱湯を高いところから注ぐ淹れ方って本当に意味ある?
テレビなどで、高い位置からポットに熱湯を注ぐ紅茶の淹れ方を見たことがあると思います。
見ている側としてはインパクトもあり、紅茶をおいしく淹れるために必要なのかな、、、
って思った方もいるのかと思います。
はっきり言うと、熱湯を高いところから注ぐ必要はまったくありません。
逆にポットまでの距離が長くなる分、お湯の温度が低下してしまい、あまりよくありません。
しっかり沸騰させ、100度に近い熱湯を使うように心がけてください。
最近では温度調整や保温ができる電気ケトルも売られていますので、活用してみると良いでしょう。
デロンギが販売してる電気ケトルは温度設定機能と保温機能付きで、見た目もめちゃくちゃおしゃれなので、おすすめです。
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お湯の温度と紅茶をおいしく淹れることの関係性は、後ほど「紅茶をおいしく淹れるポイント③:おいしい紅茶を淹れる際に熱湯を使う」の部分にて、解説します。
紅茶をおいしく注ぐポイント①:紅茶の缶や箱に書かれているリーフグレードを見る
紅茶には、ダージリンやアッサムなど産地別に収穫された「エリアティー」と、紅茶メーカーが数十種類の茶葉を混ぜて独自に配合したブレンドティー、フルーツや花の香り成分を加えたフレーバーティーがあります。
購入した紅茶の缶や箱に「OP」「D」などど書かれているのを、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
紅茶の品質を示していると思っている方も多いかと思いますが、これを「リーフグレード」といい、葉の大きさや見た目を表す等級区分のことを指します。
「OP」と書かれていれば、「オレンジペコー」を意味し、茶葉は強くねじられた細かい針状の長い葉で、柔らかい若葉と芯芽からなる、などの情報がわかります。
「リーフグレード」に関してより詳しく知りたい方は、以前書いた紅茶の用語集に詳しい情報を載せていますので、ご覧ください。
リーフグレードがわかると、茶葉の分量やお湯を注いで蒸らす時間の目安が把握できるので、おいしい紅茶を淹れるためには知っておくと良いでしょう。
紅茶をおいしく注ぐポイント②:イギリスの伝統的な紅茶の淹れ方「ゴールデン・ルール」を知る
イギリスの伝統的な紅茶の淹れ方は「ゴールデン・ルール」と呼ばれ、紅茶をおいしく淹れるには「茶葉の量を正確に量って熱湯で淹れ、ポットを使って蒸らすこと」が基本とされています。
淹れる際のポイントは、大きな気泡がブクブク上がるまでしっかり煮立たせた熱湯を使い、紅茶のポット内で茶葉を対流させることです。
茶葉を対流させることを「ジャンピング」といいます。一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
「ジャンピング」はポットに入れた熱湯の温度変化によって生じます。
ポットに入れた熱湯は温度が低下し始め、熱い湯はポットの上部へ上がり、温度が低下した湯はポットの底へ沈み込むため、ポット内で対流が生まれます。
茶葉がその対流に乗って上下に激しく動くことで、よく茶葉が開き、しっかり茶成分が抽出されるため、おいしく淹れることができます。
ジャンピングしやすくなるティーポットなども売られています。
紅茶をおいしく注ぐポイント③:おいしい紅茶を淹れる際には熱湯を使う
お湯の温度変化によって、茶葉が「ジャンピング」し、紅茶をおいしく淹れることができるのは分かったかと思います。
では、なぜしっかり沸かした熱湯を使うことが重要なのでしょうか?
理由は大きく2つあります。
1つ目は、温度が高い方がより茶葉や果実の香りを引き出せるためです。
揮発性成分は温度が高いほど、より引き出されます。
熱湯で淹れることで、香り成分が抽出されやすくなるのと同時に、渋み、苦み成分も抽出されるため、紅茶本来の味を楽しむことができます。
2つ目は、温度が低いお湯で淹れると「ジャンピング」が起こりずらいためです。
温度の低い湯で紅茶を淹れてしまうと、生じる温度変化が小さいため「ジャンピング」が起こらず、茶成分が十分に抽出されません。
記事の冒頭で触れた「熱湯を高いところから注ぐ動作」は、結果的にお湯の温度を下げてしまうため、やらないのが良いです。
「ジャンピング」は使用する温度変化によって生じる対流であって、お湯を高い位置から注いで起こしているわけではありません。
できあがった紅茶をティーポットからカップに注ぐときも同様です。
高い位置から入れる動作は科学的には意味がなく、パフォーマンスでしかありません。
高い位置から注ぐことで、紅茶の味が変化することはありません。
紅茶は、淹れるお湯の温度によって味が左右されると覚えておくと良いでしょう。
代表的なおいしい紅茶の淹れ方
紅茶の淹れ方①ストレートティー
・茶葉 3g(茶葉のグレードにもよるが、ティースプーン1杯程度)
・熱湯 200ml
・ティーポット、茶こし
茶葉の個性を楽しみたい方は、ストレートティーがおすすめです。
紅茶の魅力はなんといっても、美しい水色。
純白のティーカップに注ぐと、鮮やかな紅色になるものがよく、上質な紅茶はカップの縁に沿ってゴールデンリングができます。
紅茶の淹れ方②ミルクティー
・茶葉 3g(茶葉のグレードにもよるが、ティースプーン1杯程度)
・熱湯 200ml
・牛乳 テーブルスプーン1杯(量はお好みで)
・ティーポット、茶こし
味に渋みや深みがあり、水色の濃い紅茶は、牛乳を加えてミルクティーにしてみましょう。
近年、イギリスなどでは、紅茶を少し濃く抽出して、1対1の割合で牛乳を加えて飲まれています。
お湯と牛乳を1対1の割合で片手鍋(ミルクパン)に入れて煮出す方法もありますが、紅茶本来の上品な水色や香りを楽しむなら、最後に少量の牛乳を加える方法がおすすめです。
何とも言えない美しい乳赤色を楽しめます。
紅茶の淹れ方③アイスティー
・茶葉 5g(茶葉のグレードにもよるが、ティースプーン1杯程度)
・熱湯 200ml
・ロックアイス
・ティーポット、茶こし、グラス
夏にはアイスティーが良く好まれます。
紅茶本来の味と香りを活かしたアイスティーを作るには、熱い紅茶をたっぷりの氷が入ったグラスに注ぎ入れ、一気に冷やすことがポイントです。
紅茶をゆっくり冷やすと、紅茶の中のタンニンとカフェインが結合して、水色が白く濁る「クリームダウン」が起こってしまいます。
きれいな水色が出る紅茶は、セイロン、アッサム、ケニアなどですが、セイロンとアッサムはカテキンの含有量が多く、白濁を起こしやすいので、基本をおさえて作りましょう。
紅茶のティーバックでおいしく淹れる
時間のない朝や、仕事の合間のティーブレイクに手軽に淹れられるのが、ティーバックの魅力です。
最近は、リーフティーと変わらない味が楽しめるように、様々な工夫が施され、ティーバックそのものも大きく進化しています。
ティーバックに使われている茶葉の多くは、短時間で茶成分を抽出できるようにCTC製法という最初から細かい茶葉を作る方法が取られています。
おいしく淹れるポイントは2つ。
- カップにお湯を注いでからティーバッグを入れ、しっかり蒸らす
- むやみにティーバックを振ったり、スプーンで絞ったりしない
ティーバッグ1袋で楽しめるのは、1杯が基本です。
水色が出ても、2杯目以降は十分にうま味が抽出されないため、1杯ごとに新しいティーバッグで楽しみましょう。
・ティーバッグ 1袋
・熱湯 160ml
・ティーカップ
まとめ
おいしい紅茶の淹れ方についてご紹介しました。
おいしい紅茶を淹れる際に覚えておくポイントをまとめると以下のようになります。
- リーフグレードを見れば、茶葉の分量や蒸らす時間の目安が把握できる
- ゴールデン・ルールに沿って淹れることで、しっかり茶成分を抽出できる
- 熱湯で淹れることで「香り」、「渋み」、「苦み」成分が抽出され、紅茶本来の味を楽しむことができる
何度も言っていますが、高い位置から入れる動作は科学的には意味がなく、パフォーマンスでしかないので、普通に紅茶を淹れるようにしましょう。